全国秘湯巡り・静岡
伊豆長岡温泉 源氏山 七福神巡り
第1日目 大船→修善寺→修善寺温泉→伊豆長岡温泉
第2日目 伊豆長岡温泉→大船
第1日目
● 修禅寺へ
(修善寺温泉 筥湯浴槽)
修善寺温泉にはなかなか足が向かない。
近いせいもあるが、共同浴場が少なく、他には修禅寺しか見る場所がないと思い込んでいることも原因かも知れない。
ここ数年の正月の初湯は伊東温泉に決め伊東七福神巡りを楽しんだのだが、伊東温泉の安い宿の宿泊予約を忘れたので、そのかわりに、修善寺と伊豆長岡温泉に行き、修善寺温泉の筥湯と伊豆長岡温泉の改装なった南北の共同浴場を訪れ、あわせて伊豆長岡温泉の源氏山・七福神巡りを試すことにした。
伊豆長岡温泉なら、特急に乗らなくても、熱海と三島で乗り換えれば各駅停車の列車が快適だ。
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● 修善寺温泉と修禅寺
三島からの伊豆箱根鉄道はのどかな田園風景の中を走る。
(伊豆箱根鉄道) |
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(修禅寺山門) |
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修善寺駅に着いて、荷物をコインロッカーに入れ、お湯セットだけを持ってタクシーに乗った。バスは20分待ちで時間がもったいないと思った。
筥湯に入るには若干時間があり、修禅寺境内に入る。
(修禅寺本堂)
修禅寺は弘法大師が開いた寺院だから、真言宗のはずなのになぜか現在は曹洞宗に属している理由はネットで調べることにしてお参りをする。
修禅寺を辞し、目の前の独鈷の湯を見学する。
(独鈷の湯)
(足湯・独鈷の湯2) |
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(足湯・独鈷の湯3) |
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独鈷の湯は、いつの間にか足湯に変身していた。
なんぼなんでも、この場所での共同浴場は無理筋でしたよね。
修善寺温泉は土産物屋とか、喫茶店、カフェみたいな飲食店が多くなり、歴史のある旅館が何となく元気がないような印象を受けた。
(土産物屋) |
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(修善寺温泉の街並) |
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● 筥湯
修善寺温泉の共同浴場筥湯は、かつて9箇所あったといわれる外湯が復活した物で、修禅寺の対岸(桂川の右岸)にある。
筥湯は、脇に「仰空楼(ぎょうくろう)」という望楼を従えた和風建築で、番台は今風に外を向いているが、内部は木をたくさん使った贅沢な造りで、浴室内はさすがに床だけは石造りだが他は全部木製という、いわば、共同浴場の復刻版という造りである。
脱衣場もロッカーが木製となっている。
(筥湯) |
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(筥湯の番台) |
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(筥湯 浴槽) |
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(筥湯 脱衣場) |
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お湯は、修禅寺特有のアルカリ性単純泉で特色があまりないが、設定はぬるめで、隣の伊豆長岡温泉の共同浴場の熱い湯に比べて評価できる。
ただ、残念ながらカルキ臭が強く、木製で雰囲気の良い浴室の佇まいに若干マイナス点がつく。
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● 伊豆長岡温泉へ
(東海バス)
修善寺温泉の街中にある東海バスのバスターミナルから修善寺行きのバスに乗り、修善寺駅で伊豆箱根鉄道に乗り継いで伊豆長岡温泉に行く。
伊豆長岡温泉は狩野川の左岸に展開する古い温泉場で、古いイメージでは歓楽街と大旅館中心に発展を遂げてきたのだが、自動車による個人旅行が中心の現在では各旅館が経営の転換に智恵を絞って経営に苦心している時代はいましばらく続くかも知れない。
伊豆長岡温泉は、古奈地区と長岡地区とから成り立ち、間に小高い源氏山がある。
伊豆長岡温泉の共同浴場はこの10年間で建て替えが進み、伊豆の国市営の長岡北浴場(湯らっくすのゆ)も長岡南浴場も新しくなった。
今回はこの二箇所の共同浴場に入るのが主目的で、あと、源氏山七福神巡りをするというおまけの楽しみもある。
● 宿泊は KKR 千歳荘
(KKR 千歳荘)
バス停「総合会館前」で下車し、数分歩いて千歳荘に荷物を置かせてもらった。
千歳荘は鉄筋三階建ての小振りの旅館で、国家公務員共済組合連合会が運営する公共の宿。
KKR は、簡保の宿よりは良い場所に設置されたホテルが多いが、ご多分に漏れず国費からの赤字補填が続いている。
2004年に一度泊まって気に入っており、再度ここを選んだ。
食事やお風呂については後述する。
千歳荘のフロントで源氏山七福神の地図と巡拝のスタンプ帳をもらおうと思ったが全く知らないとのこと。
伊豆長岡温泉旅館組合では、旅館の帳場で地図をもらい、源氏山の上り口を確かめて七福神巡りをし、7つのスタンプがそろったら泊まった旅館でフィギア1体と交換するというのだが、全く知らないというので地図無しで出発となった。
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● 昼食は朝日屋(そば屋)
千歳荘の目の前の「朝日屋」で腹ごしらえをする。
頼んだのは「胡麻だれつけそば ¥900」と「牛スジ肉煮込みうどん ¥800」。
どちらも価格並の味とボリュームでまあまあと云うところか。?。
(朝日屋の店先) |
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(胡麻だれつけそば ¥900) |
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(牛スジ肉煮込みうどん ¥800) |
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七福神を巡る順序
七福神の地図は無いが、伊豆の国市の観光協会から伊豆長岡温泉の温泉案内のマップを送ってもらっていたので、源氏山以外の三体の七福神はそれぞれ長温寺、湯谷神社、最明寺にあることが判った。
朝日屋のおかみさんに伺い、最寄りの源氏山登山口は西琳寺が良いとのことで、長温寺と湯谷神社を先行させそのあと西琳寺から源氏山に上ることにした。
源氏山の上まで行けば後は何とかなるだろう?。
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● 長温寺の福禄寿
朝日屋から長温寺は1ブロックで数分の距離。
曹洞宗長温寺の急な階段を上った本堂の脇に木のお堂があり福禄寿の石像があった。
● 湯谷神社の恵比寿神
湯谷神社は長温寺の路地のさらに奥にあり、ここも数分の距離。
恵比寿様のお堂は石段を上りきったところにありスタンプも押すことが出来た。
(湯谷神社の石段) |
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(恵比寿神) |
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(恵比寿神の記念スタンプ) |
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● 西琳寺と弥勒堂と弁財天
西琳寺は、伊豆長岡駅から千歳橋を渡って温泉場に至るバス道の正面にある寺院で、源氏山を背負っている。
弘法大師の結んだ草庵が起こりといわれ、現在は真宗大谷派に属する。
明治初年に建てられたという本堂は格式があり、また、弥勒堂に安置された石を刻んだ弥勒菩薩像とともに参拝する人が絶えないとのこと。
(西琳寺本堂)
弁天様のお堂は、西琳寺に向かって左手の石段を上った、弥勒堂のそばに建っている。
弁天様はふくよかなお顔で琵琶をかかえていた。
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● 寿老人
弥勒堂から石の道を上り、市の水道施設を越えた場所が源氏山の山頂広場。
赤い幟とお堂があり、寿老人が祀ってある。ここまでは順調な道のりだった。
ところが、地図がないので、次に大黒天へ行くか?、毘沙門天に行くか?、が良くわからない。
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● あやめ御前広場と毘沙門天
考えあぐねていると、散歩中の女性が来たので相談してみた。
この人は、三島から移り住んで来たとのことで、温泉と山中の散歩で健康を取り戻したとのこと。
源氏山の七福神は不親切なルートが多く、特に、毘沙門天と大黒天の間は急な坂と道の不整備があるので、高度は多少犠牲になるが、先に毘沙門天に向かって下り、大黒天へは山登りとして登れば危険度が少なくなるのではないか?、という意見で、毘沙門天までついてきてくれた。
せっかく上った場所から一気に下り、長岡温泉口の旅館の建物が間近に見える場所に昭和初期の作といわれる「あやめ御前」の石像が祀られ説明版があった。
石像は岩肌に彫られたほこらの中で、鎌倉でいう「やぐら」そっくりの構造。
(あやめ御前説明板)
(あやめ御前石像) |
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(毘沙門天) |
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(毘沙門天の記念スタンプ) |
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● 大黒天
毘沙門天から大黒天は、展望広場という看板方向に向かって再び急坂を上る。
道は地面に杭を打って段々を造った急坂で、落ち葉に覆われていた。
何とも特徴の無い場所に、赤い幟が立っていて大黒天のお堂があり、大黒様が安置されていた。
(赤い幟が目印) |
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(大黒天) |
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(大黒天の記念スタンプ) |
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● 最明寺の布袋尊
既に七福神の内六箇所をお参りしたので、後は最明寺の布袋尊を残すのみとなった。
大黒天から最明寺への下りは山道で、足場は悪くないが年配者にとっては滑りやすい下り道だった。
最明寺の駐車場に下り立ち、本堂の左側の墓地に行く門の陰に布袋尊を見つけてお参りした。
(裏門の向こう側にお堂) |
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(布袋尊) |
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(布袋尊の記念スタンプ) |
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七福神巡りの感想
およそ1時間30分の七福神巡りは、散策としては源氏山の自然を味わうに足る散策だったが、七福神の配置や道案内は何か取って付けたような不自然さがあり(逆に言えば有がたみが不足して)、また再びお参りに来ようという気持ちになることは難しい心境だった。
旅館組合のご都合主義が透けて見えるし、旅館の対応もお粗末で、また、街の商店なども協力的では無いようだった。
例えば、伊東温泉の七福神巡りは、七福神の七体のうち六体はお寺さんで大切に祀られており、お参りするのに本堂や庫裡に入れて頂いてお参りするし、唯一神社に祀られている恵比寿神はご神体の一部でここでも大切に祀られているのだが、伊豆長岡では寺院にある石像でさえ、粗略に扱われているような気がした。
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最明寺を出て家人と分かれた。
家人は宿に戻るという。
長岡北浴場は源氏山をぐるりと回って、沼津方面に歩く。
途中、長岡南浴場も見えたので寄ってみたが、3時からの開店なので鍵が閉まっていた。
● 長岡北浴場(湯らっくすのゆ)
長岡北浴場は「湯らっくすのゆ」という名前を付けられ、湯らっくす公園も近くに出来て結構な人気になっている。
(長岡北浴場(湯らっくすのゆ)) |
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(浴槽) |
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(脱衣場) |
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比較的小さな公衆浴場だが、番台もあって、熱いですよと注意されたが、脱衣室に入ってみると小さいながらきれいで、ヘアドライアなどが設置されていた。
浴室もさして大きくなく、先客が2人ほどいた。
洗い場に3〜4人、浴槽にも4〜5人しか入れないが、町の人が対象ならそれほど大きな必要はあるまい。
お湯はやや熱め。
アルカリ性単純泉で特徴に乏しいが、加水をなるべくしない姿勢は評価出来た。
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● 長岡南浴場
長岡南浴場へ戻るのにバスを使おうとバスの時刻表を見たら、丁度直ぐに来そうな時間にばすがあった。
待つ間もなくバスが来て、あっという間に温泉駅に着いた。
長岡北浴場も可愛らしい共同浴場だった。
前の長岡南大衆浴場の時代よりさらに小さくなった感じで、男湯と女湯の配置も左右が逆になっていた。
お湯はやはりやや熱く、先客の地元の老人が、奥の方の浴槽から先に入るように注意してくれた。
外に出たらもうかなり暗くなっていた。
源氏山をぐるりと回って古奈地区にあるKKR千歳荘に戻ると、もう夕食の時間も間近だった。
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● KKR 千歳荘の夕食
千歳荘の夕食は食堂で摂る。
宴会の人たちが大広間を使うから、食堂と云ってもさほど広くなく、満席でもない。
夫婦か家族連れが多く、国家公務員のOBと思われる男同士も見かけた。
(千歳荘の食堂)
この日の料理は魚介プランで一番安い宿泊コース。
それでも結構豪勢で凝った調理と新鮮な地魚を堪能した。
(柑橘釜盛り) 海鼠みぞれ和え |
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(お造り) 地魚他五種盛り |
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(金目鯛と貝柱グラタン) 酢蓮根 |
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(寒鰤粕仕立て) 寒鰤、大根、京人参、椎茸、油揚、根深葱、酒粕 |
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(油物) 真鱈チーズ揚げ、海老芋唐揚げ他 |
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(すまし汁) 麩、アオサ海苔、葱、他 |
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傑作はアサリの炊き込み御飯。
じゅうぶん蒸らすように注意書きがあり、実行したらうまくいって初春らしい味が良かった。
(浅蜊の炊き込み御飯 着火前) |
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(浅蜊の炊き込み御飯 蒸らし後) |
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この他に、香の物、水菓子(焼き林檎)など。
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● KKR 千歳荘のお風呂
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(脱衣場) |
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(浴槽) |
千歳荘には浴場が二箇所あるが、どちらも浴槽がさして大きくない。建設当初から源泉掛け流しを守るため、このサイズに決めたらしい。 タイル張りで、大きな窓のせいか明るい浴場になっている。
お湯は温めの設定。 |
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第二日目
● 狩野川の土手を歩く
翌日、朝の散歩は狩野川の土手を選んだ。
前日は、富士山がよく見えたが撮影ポイントがなな見つからなかったので、どこか富士のよく見える場所はないか?と考え、開けた場所なら河原だろうと思った。
ホテルから千歳橋までは徒歩10分ほどかかった。
どこから富士山がよく見えるか探し、狩野川の土手を上流に向かって歩くことにした。
(富士山)
千歳橋から離れるほど富士山がよく見えた。千歳橋の鉄骨の上に見える富士山は前日と比べてわずかにモヤのかかった感じだった。
ホテルに戻り、ざっと風呂に入ってから食堂に行った。
朝食は旅館の定番の和食だった。
沼津産の鰺の干物が美味しかった。
(朝食1) |
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(朝食2) |
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朝食後、千歳荘の車が伊豆長岡駅まで送ってくれた。
東海道線乗り入れの特急には30分ほど間があったので各駅停車に乗ったら、接続が良く、とんとん拍子で大船まで帰ることが出来た。
午後にはラグビーの大学選手権の試合をテレビで見る事が出来た。
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